都電の車窓から

都内で唯一残された都電…「荒川線」。 家々が立ち並ぶ中を走るその姿は、 現代に残された下町そのままの形です…。 都電から見える景色・その周辺の街並み…。 それらを通して「下町・荒川」を知っていただきたい。 そんな思いでご紹介させていただく、フォトギャラリーです。


思い出の「おばけなんてないさ」ロード

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東尾久三丁目の停留所を降り南へ少し路地を進むとあるのが「阿遮院」。
ちょうど当店と停留所の間にお寺の裏側の路地があるんです。お寺の裏手ですからもちろん墓石や卒塔婆がちらほらと見られるんですがこれが幼少のころの私にはとても怖かったんですね。それでもここを通らなければ相当な回り道をすることに…。だからがんばって通るんです。

都電の線路を渡った向こう側にお友達が住んでいた幼稚園児の私は、ちょうど今みたいな冬の夕方の
少し薄暗くなった17時頃、鳴り響く鐘の音(区が知らせる時報)を聞きながら「おばけなんてないさ」を歌ってここを通っていたんですよね~。

それでも段々と気味が悪くなってきて少し歩いたところで、、、駆け出してしまうんですが。。

そんな思い出と共に一枚。
大人になってから見るその場所は青空をバックに壁からニョキニョキ生えてる卒塔婆が、少しひょうきんに見えるコミカルな風景に変わっていました。

遠ざかる景色を堪能できる「一番後ろ」が特等席

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都電にはその昔車掌さんがいたそうですが現在ではワンマン運転となっている為、進行方向と逆の運転席は空いているんですね。
私はここからの眺めが一番気に入っていて乗車後に流れる「できるだけ前に詰めてご乗車下さいませ」というアナウンスを率先して実行し、なるべくこの特等席に早めにたどり着くようにしています。(もちろんマナーは守って。)

運良く空いていたらラッキーです。
目的地に着くまでしばし遠ざかっていく停留所や線路をの~んびりと眺めるスペシャルタイムの始まり!

踏み切りを過ぎてすぐに停留所なんて場所はいいですね。
電車が通り過ぎて停車して、その間に踏切があがって待っていた人達が足早に渡り始める。
そんな瞬間が大好きで思わずシャッターを切ってしまいました。

荒川自然公園で逆光の中、水鳥達とフワフワする

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前回からの続きで荒川自然公園内へとやってきました。
三河島水再生センターの上部を利用して作った公園、実は大変昔から存在していて私も幼稚園時代に遠足に来た思い出があります。それから大人になり、幹線道路からも外れたこの場所にブラりと訪れることも無かったのですが、今回改めて訪れてみると身近なところにも自然があるものなのだなと感心しました。

公園は南北二つのブロックに分かれていて、町屋駅に近い北口側と荒川二丁目停留所からすぐの南側があります。南側ブロックまで歩いてくると陽もすっかり斜めになり、渡り橋が設置された池には白鳥やその他の水鳥達が楽しそうにユラユラしていました。

それを見ていた私もなんだかユラユラとしてきたところで一枚。
フワフワした気分のまま都電の停留所に向かって歩き出しました。

荒川自然公園施設案内 荒川区公式ホームページ

少しだけ空中庭園の趣、荒川自然公園北口

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三河島水再生センターは東京城北地域の下水処理を一手に行う施設。
大正11年からここで操業しているそうです。
春の桜とレンガ造りのポンプ舎が美しいことは以前ご紹介したのですが、センターの上部に広がる「荒川自然公園」は紅葉もなかなかなんです。

公園への入り口は2箇所あって、都電停留所「荒川2丁目」側は停留所脇から続く坂道を登るだけのアクセス。都電内でもアナウンスされてますね。

写真のこちらは北側の入り口。
不思議なカゴ状のトンネル階段を上っていくとまるで空中庭園の趣。
少し世界が上昇した気分を味わえます。
実際に高さでいうとおそらくビルの3、4階くらいに相当するのではないでしょうか。
広さは5.6万平米あるそうです。処理施設の敷地は東京ドームの5倍くらいあって、町屋駅の裏側から隅田川まではほぼ施設の敷地になっているんですよ。

では次回は公園内を少しご紹介したいと思います。

のどかな昼下がり、空が大きい巣鴨新田

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都電荒川線は三ノ輪橋から早稲田まで現在30の停留所があります。
その30箇所の中には「町屋駅前」「王子駅前」「大塚駅前」などJR線や東京メトロと乗換えが可能な(というよりその駅の前に設置されたであろう)停留所があります。
自然とその他の駅よりも乗り降りが多くなるのですが、逆にその前後の停車場は自然とあまり利用者が少ないようなんですよね。

巣鴨新田」停留所もそんな中の一つ。
大塚駅前のほんの少し手前なだけの場所なのですが、あまり乗り降りしている姿をみることがありませせん。。。これは「栄町」も同じですけれど…。

さて、そんな巣鴨新田ですが場所としては「おばあちゃんの原宿」巣鴨地蔵通りからも程近い場所なんですよね。でもあまりにのどかであくびが…出てしまいました(笑)

高い建物も少なく、レールの近くは大きな空と学校のグラウンド。。

下校途中の学生さんが自転車で走ってきました…ふあぁぁ、やっぱりあくびが出てしまいますね。

昔ながらな定食屋さんの看板は昼も夜も輝いている

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東尾久三丁目から町屋駅方面に歩く夜。いつもとは少し違った風景が広がります。
都電沿いのいわゆる「都電通り」は最近ではかなり整備も行き届き、大き目の街頭が照らしているせいもあってか犯罪とは無縁の明るい一本道になっています。

町屋二丁目の停留所から一本わき道に入ってみました。
この先「満光寺」の前では毎月9がつく日に縁日が行われているのですが、これは寺前にあるお地蔵様にちなんだものなんです。

以前は多くの露店が立ち並んだものでしたが、今では10軒弱のお店がそれでも明るいライトを照らして下町の路地を盛り上げています。

今日は9の日ではないですから、寺前はひっそりとしたもの。
寺から少し行ったところにボウっと光る看板を見つけました。

昔ながらの定食屋さん。
佇まいもさることながら、価格も昔ながらですね。

昼は値段で、夜は少しボヤンとしたその明かりでこの辺りをいつまでも照らしていて欲しいものです。

今日も変わらぬ平日のとげ抜き地蔵通り

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おばあちゃんの原宿」といえば「巣鴨とげ抜き地蔵通り」が有名ですが、この通りの北端に都電庚申塚停留所があります。
停車場の看板にも「とげ抜き地蔵入り口」の文字がある位ですから、高齢者無料の都電を使わない手はないはずですよね。

「おばあちゃんの…」というのはあくまでターゲット層がご高齢者ということで、以外と高齢者以外の方も多く通行しているのが平日の地蔵どおり。
「高齢者以外」というとちょっと違うんですが、結構小学生くらいのお子さんの登下校が多いようです。本家の原宿はやっぱり土日が混雑するのでしょうが、この通りもそれにならって同じようなのでしょうか。。

庚申塚からスタートした地蔵通りは「とげぬき地蔵」を経由して一直線にJR巣鴨駅へとつながっています。十数分の道のりですが、活気あるお年寄り達を眺めながら歩くのも楽しいものですよ。